皆さんは「ハンチバック」という著書はご存知でしょうか。
先日、第169回芥川賞受賞した作品です。
障害当事者である市川沙央さんが手掛けた著書であり、メディアでも取り上げられていました。
普段、あまり読まないのですが、重度訪問介護の仕事をしている私としては気になり購入しました。
そして読んで感じた事、思った事を紹介したいと思います。
ハンチバックとは、市川沙央さんとはどういう方なのか
まず、ハンチバックとは何なのか。と思う方もいるので簡単に紹介させて頂きます。
ハンチバックは市川沙央さんが作成された著書です。
市川沙央さんは神奈川県在住であり、10歳の頃に難病である筋疾患の「先天性ミオパチー」と診断され、
14歳から人工呼吸器を使い始め、移動には電動車いすを使用しており、タブレット端末を使って執筆しています。
ハンチバックの意味も「脊椎上部が異様に湾曲しているため背中が丸くなっている人」であり、
市川沙央さんが自身を表現しているのかなとも読み取れました。
また、芥川賞受賞の会見で、
「重度障害者の受賞者も作品もあまりなかった。
今回、初だと書かれるんでしょうが、どうしてそれが2023年にもなって初めてなのか、みんなに考えてもらいたい」
と、発言していました。この発言は多くの方が印象に残った言葉ではなかったのかなと思います。
私自身、重度訪問介護の仕事をしているので、色々と考えさせられた一言だったのかなと感じました。
先天性ミオパチーとは
難病情報センターの情報によると、
生まれながらに筋組織の形態に問題があり、そのため生後間もなく、あるいは幼少期から、「筋力が弱い」、「体が柔らかい」などの筋力低下に関わる症状を認める病気です。
幼少期では、本来なら歩行を獲得している時期でも、「まだ歩けない」などの運動発達の遅れとして病院を受診されることがあります。
大人になってから症状を自覚する成人型では、「力が入りにくい」、「疲れやすい」といった症状を大人になって自覚して受診される方もいます。
成人型では、ほかの病気が隠れている場合もあります。呼吸や心臓も筋で動いているので、筋力低下の症状のほか、呼吸や心臓の症状を伴うこともあります。
ほかには関節や骨の拘縮などの合併症をみることがあります。
と、記載されております。私も恥ずかしながら名前だけしか知りませんでした。
ハンチバックを読んだ感想
実際に手に取り読んでいました。ページ数も100ページもないので一気に読むことが出来ました。
私の印象としては、障害当事者だからこそ書ける内容だな。と思いました。
表現は言い回し、全てにおいて彼女の生き様が感じられました。
しかも、面白いのが冒頭の内容が、「あれ、著書間違ったのかな」と何度も表紙を確認するぐらいの内容でした。
なぜそう思ったのかというと、性描写の内容が包み隠さず表現されているからです。
しかも、障害当事者ならではの視点で表現されています。
呼吸器、吸引カテーテル、アラームなど、私が仕事でよく携わる内容も書かれており
非常にイメージしやすく、障害当事者はこういう気持ちでいるんだな。と、
新たな気づきもあり、非常に興味深く読むことが出来ました。
繰り返し読みたくなる
ページ数も100ページもないので一気に読むことができるのですが、
繰り返し読みたくなる理由としては、話の展開が早くて難しく、何度も繰り返し読んでしまいます。
というのも、最初の展開では、ライターのような設定でしたが、
最後の展開では夜のお店で働いている設定にもなり、どっちが妄想という設定だったのか、
繰り返し読んで理解しようとしてしまいます。
それも、著者の市川沙央さんの狙いなのかもしれません。
まとめ
いかがでしょうか。ハンチバックの紹介を簡単にさせていただきました。
障害当事者としてももちろんですが、一人の小説家としても注目していきたいと感じました。
私も普段は小説を読むことは無いのですが、読むことで色々な事を考えさせられました。
ぜひ、チェックしてみてください。私は書店で買いに行きましたが最後の1冊でした。
売り切れているかもしれませんので、ネットで購入したほうが確実かと思います。
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